(仮)黒蔵谷トンネル



大塔森林鉄道大塔支線


 


                   2012年6月訪問

 ついに来てしまった。。。

 関西圏数あるねじりまんぽ中、最難関(くるまみち
調べ)の呼び声高いこの物件を完全攻略にやって
参りました。
 
 前回は単独でトライしたんですが、「あること」で坑門
を眼前に捉えながら撤退を余儀なくされました。
 物理的に坑門前までたどり着けない物件は、私が
300件近い煉瓦アーチを見てきてたった1件しかあり
ません。
 ここはたどり着けるんですが。。。

 
内 部 水 没 !

 これが長靴でも突破できない深さ。。。
 前回はこれにやられて無念の撤退となりました。
 ねじりまんぽで長靴でも入れない物件はここだけ
です。

 
 今回は強力助っ人のピカさんと一緒に、この難攻
不落の水没ねじりの
完抜けを目論見ます!
 今回は、今年からくるまみちで導入を始めたウェー
ダーを穿いて突入を試みます。
 アプローチの道は生活道のためひっきりなしに車が
往来します。。。
 1人ウェーダーでこの生活道を歩くのは激しくイヤ
だ!!!
 ピカさんとツインウェーダーでメンタル的に非常に
助かりました。。。
 生活道から何故か下の水路まで折り畳み梯子が
立て掛けてあります。
 よって、水路までは容易に降りることが可能です。
 右上の長靴は私のです。。。脱ぎ捨ててウェーダー
にチェンジ!
 ねじりまんぽへは、まずこの土管のようなトンネル
を潜らないとなりませぬ。
 これは生活道を潜っています。
 土管の先には一回り小さいコンクリートトンネル。
 この2層の造りはなんなんでしょう?
 振り返り。この生活道水路トンネルの先にも暗渠
みたいなのがあります。あそこの上は建物がありま
す。
 水の流れは、建物を潜って住吉川に合流します。
 土管は10m程度ですぐ抜けられます。
 。。。が、水質がとにかく悪い!
 だいぶ生活、工業排水等で汚染されている感じが
します。。。

 それでもこの土管にはでかいカメが居ました。。。
強いな、カメ。。。
 生活道通り抜け完了!
 おお!目の前にお馴染みの面構えが見えます。

 。。。それにしても。。。環境劣悪ですな。。。
 関西圏ねじりまんぽ中、ダントツの環境の悪さ
です。。。
 先ほど抜けた真円コンクリートアーチ。
 足元には大量の廃棄物が。。。ガードレールまで
あります。。。
 ぎゃあああああ。。。
 あんまりお見せしたくない惨状です。
 
 一応坑口までは長靴で行くことが可能です。
 この惨状に耐えられる方限定ですが。。。
 さて。。。
 あの廃棄物が途切れた辺りから、長靴が怪しくな
ります。
 しかし今回はウェーダーがありますからね!
 この水質は激しくイヤですが。。。
 眼前までやってきました!
 
 。。。うーむ。。。
 高いコンクリートの擁壁に挟まれつつ、よくぞ坑門
生きていてくれましたな。。。
 振り返り。。。振り返りたくない。。。と思うことは
結構ありますが、ここは異質なイヤさです。。。
 うーむ。。。
 この場所に激しく似つかわしくない華麗なデザイン!

 うーむ。。。いい!
 下部から、3層の煉瓦アーチにイギリス積みの坑門。2層の煉瓦帯石にイギリス積みの胸壁。
 笠石にあたる部分は櫛歯の装飾、最上段に切石での笠石が存在します。
 うーむ。。。こんな水路に何故にここまでデザインに拘ったのか。。。いまや見て感動しているのは私ら愛好家の
中でも超少数な感じがします。。。

 さて、内部ですが。。。
 おおお!!!やっぱりのねじりまんぽ!!!
 当方関西圏最後のねじりまんぽです!(あ、福井のやつ忘れてる。。。)
 白化が進んで非常に汚らしいですが、この流麗なラインは健在!
 側壁は煉瓦でイギリス積み。側壁とねじりを繋ぐ迫受石がなく、そのまま繋いであります。

 ちなみに内部に入った途端、長靴では微妙に無理な水深になります。。。
 間近で見るとちょおっと雑な面が目立ちますな。。。
 目地が出ていたり、煉瓦が浮いていたり。。。
 経年劣化ってやつですかね。
 。。。ねえ。。。
 目地出過ぎ。。。これが経年による結果なのか、
施工時のものなのか。。。
 しかし側壁への接合面は非常に綺麗ですな。

 坑門内部より。
 見事なねじりっぷりですな。まさに異空間へのタイムトンネル〜
 微妙に面一ではないですな。
 このがたつきも逆にアートに見えてしまいます。
 しかし。。。結構亀裂が目立ちます。。。

 ねじりまんぽにする理由は、鉄道敷きと水路が十字
にクロスせず、斜めに横切っているためです。
 斜めに横切る暗渠の場合、通常アーチにするより
もねじりの方が耐荷重が強いそうです。

 しかしながら、ねじりにしていても負荷は相当なも
ののようで。。。
 亀裂は2か所に及び、アーチの天井付近にまで
広がっています。
 補修が必要ではないでしょうかねえ。
 さらに進んで振り返り。
 シルエットはピカさんです。
 ウェーダー水没状況は膝やや下ってとこでしょうか。
 長靴だと微妙にしんどい深さです。
 もっと接近して撮影。
 やっぱり長靴は厳しいですねえ。
 うーむ、何度見てもいい螺旋を描いています。
 こんな場所にあるのが非常に勿体ない。。。
 そして。。。
 未知の反対側の姿が徐々に明らかに。。。

 遂に反対側の姿を捕捉しました!
 想定通り光はなく、コンクリートので覆われておりました。そりゃあ反対側が見つからないはずです。。。

 そして南側の坑門!ネット初公開!。。。ですよね?
 3層の煉瓦アーチにイギリス積みの坑門、そして見事な坑門斜めっぷりです。
 。。。素晴らしい!
 坑門と煉瓦アーチの滑らかな接合面は見事。
 煉瓦アーチの先は広めのコンクリート空間となって
いました。
 その先には天井が異様に低い四角のコンクリ穴
が。。。
 。。。うーむ。。。光が見えん。。。
 一体どこまで続いているんだこの穴は。。。
 おそらくこの上は地図上では高田清掃センターの
ようですから、その真下を通っているんでしょうか。。。

 。。。まあ、逝っても意味がないのでここでやめとき
ます。

 さて、最後にサイズチェックです。
 一応ピカさんが普通に立っていられる大きさです。
 高さは1.9mくらい、幅は1.4mくらいでしょうか。目測ですので悪しからず。。。

 難攻不落の水没ねじりまんぽ、遂に攻略です!