摺子発電所水路隧道


奈良県


  

 摺子発電所?どこそこ!?
 全く知らなかったその名前ですが、ある日YO314氏から頂いた写真に衝撃を受けました。
 川から顔を出す廃発電所、そして謎の穴が林道の上にぽっかりと。。。
 なんと魅惑的な。。。すっかり惹きつけられてしまいました。
 場所は奈良県下北山村。山深き山村です。遠いんですよねえ。。。遠いですが。。。
 これはもう見にいくしかない!2010年11月、早速掲示板にて参戦者を募りました。
 すると。。。
 集まる集まる、総勢10台の車両が集結!

 参加者:YO314さん、あんしゃいさん、ひろきさん
きょくちょ〜さん、yoshirinさん、クイック・ニックさん
パパンさん、おろろんさん、ピカさん、私です。

 10名が10台の車両を持ってきたわけですが、
まあ見事に車種がばらけ、多種多様です。

 さあ、この大所帯でどんな発見があるのか!
 いっちょやったるか!
 道の駅「吉野路上北山」にて前夜祭を執り行
い、酔いも醒めたかという中、地図の場所へ。
 国道169号線、小口橋東詰の空きスペースに
大方の車両を停め、数台が北山川沿いの林道
へ。この日はボートの大会が行われるらしく、
大量のオフロード車両が駐車していました。
 ボート会場から先はゲート封鎖されております。
 ここからは全員徒歩(約3名はチャリ持込みで
すが!)での進軍となります。
 「村道摺子線」のようです。村道扱いなんです
ねえ。
 思い思いの装備で皆様進軍していきます。
 駒止めがありますねえ。
 小口や大里トンネルができる前までの国道の
旧道であった証でしょうか。(当時は二級国道で
あったようですが。大里トンネル竣工は1961年。
一般国道化は1965年のようです。二級国道指定
は1953年だそうです。)

 うーん。。。なんか好きです、このライン。流線型〜

 そうこうしているうちに見えてきました!
 。。。見えます?最初のターゲットです。
 旧国道だけあって、路肩はしっかりしてます
ねえ。
 おっ、橋が現れました。
 擢子谷。。。「擢」?
 「摺」ではないんですねえ。
 しかし「擢」だと、「テキ」「ダク」「ぬき・んでる」
 「ぬ・く」みたいな読みしか出てこないんです
がねえ。
 これでは「ぬきこだに」になっちゃいますよ?
 橋の名前も「擢子谷橋」です。
 反対側の親柱には「すりこだにばし」と平仮名
表記がありました。
 竣工年度の記載はありません。
 謎な物件です。
 誤表記なのか、昔はそれで正しかったのか。。。
 そして。。。
 見えました!遂に現場に到着です。
 封鎖地点から結構距離がありました。
 場所はこのあたりです。
 距離にして国道から1.2km程でしょうか。
 それ以上に感じますがねえ。
 発電所の建物だそうです。
 何階部分なんでしょうか。水没しても顔を出し
ているわけで、結構高さがありそうです。

 廃発電所全景です。
 うーむ、見事な廃景です。天井に育つ雑草も一際廃感を増幅させてます。
 内部にも雑草が生えてますねえ。
 記録的な渇水期があったら内部に入ることが
できるかもしれませんねえ。
 さあ!そして本日のメインディッシュの登場
です!
 本番はここからでございます。
 林道とは全く無縁のような場所に穴がぽっかり
と開いています。

 なんなんだこの状態は。。。
 コンクリートの洞内が斜めに削られています。林道開設時に荒っぽく削られてしまったようです。 
 とはいえ、この隧道の坑口はこの部分で正しい
ようです。坑門と擁壁は遺されています。
 上から見るとこんな感じです。
 『続・筏師の道を歩く』のPDFを拝見すると現
役当時の摺子発電所の写真が掲載されていま
す。
 それによると、ここからまっすぐ川に向かって
流路&隧道は続いていたようです。
 この流路は「落筏路」と呼ばれ、かつて木材
搬出のため、筏師が筏と共に滑り落ちて川に
至っていたようです。
 そう、この隧道は発電用であると共に、林業用
も兼ねていたようなんです。
 続々登り始める参加者一同。
 うーむ、傾斜がきつい!
 車道用隧道にはあるまじき傾斜です。その傾斜
は10%はあるという話。
 先は見通せず真っ暗です。

 さあ、これから深遠なる闇の世界に嵌ってゆきます。。。
 一体この先に何が潜んでいるというのか。。。
 以降 
その2 に続く!